極超音速ミサイルとは、基本、マッハ5以上、かつ、銭学森弾道、スネーク弾道で飛行する特徴を持つミサイルをさします。通常の弾道ミサイルは終段のスピードはマッハ15-20あるので、マッハ5以上超えても、弾道ですから、極超音速ミサイルに分類されないようだ。
上記、各飛行弾道の比較図から、地上から発射する場合、従来の巡行ミサイル、弾道ミサイルと、銭学森弾道、スネーク弾道で飛行する極超音速ミサイルの飛ばし方の違いを示す。
極超音速ミサイルの考え方は、いったん、大気圏を出て、大気圏と宇宙空間の境界で、水切りと同じ原理で、大気圏の上に飛ばして、弾着点に近づいたら、再度、大気圏へ突入する仕組みとなります。
通常の弾道ミサイルより、少ない燃料で、遠く飛ばせるわけです。例えば、通常の弾道ミサイルを使って、中国から、アメリカ本土へ攻撃する場合、基本、ロシアの上空から通って、北極圏航路経由となります。極超音速ミサイルを使った場合、中国本土から、南半球の豪州向けにしても、可能です。
今回のウクライナ戦争で、ロシアが使う極超音速ミサイルは、Mig-31からの発射ですが、恐らく、試験の意味も含めて、遠東、中国東北側からの発射となるでしょう。
披露された写真からも、Mig-31は、アラスカのF-22向けと、寒さはシベリアらしいです。
極超音速ミサイルはなぜ防衛できないか?
銃弾など、ものを当たって攻撃する前提は、攻撃される対象より、速いスピードが必要である。
例えば、B-25プロペラ爆撃機に搭載したマシンガン、弾の速度が音速以下で、F-86ジェット戦闘機を射撃する試験が、米軍は行った際、写真で当たったように撮ったとしても、F-86に当たらない現象から、検証したらしい。
PACの場合、マッハ15-20の弾道ミサイルを撃ち落とすために、PACのミサイル自身はマッハ2-3しかないが、あらかじめ計算された弾道に迎えて、近い処から、爆発させ、爆発した高速な破片で、ターゲットを撃ち落とす仕組みである。だから、イラク戦争など、PACが大量に使用した場合、破片による被害も深刻である。
前述通り、極超音速は通常の弾道で飛ばさないので、飛行跡を計算できない。
更に、大気圏内で、極超音速ミサイル以上に加速して、撃ち落すことも、現時点、ほぼありえません。
しかも、米国のミサイル防衛システムは、日本、韓国、欧州の各拠点からの早期警戒から、北半球向けのものである。
南半球向けの弾道ミサイル防衛は、基本ありません。極超音速ミサイルの実用化に向けて、南半球でも、ミサイル防衛システム用の拠点を新たに構築しなければなりません。
かなり膨大な予算と、えらい時間が必要となります。
極超音速ミサイルの防衛と前景
勿論、極超音速ミサイルも、人間の作ったものですから、対策はないことがありません。
レールガン(電磁砲)とレーザーです。
レールガンは安価で、速い速度(マッハ7)ができるわけです。
レーザーも同じ原理、光より早いものはないからです。
中国は軍だけではなく、民間用のレールガンも実用化になっている。
米国は基本諦めたようだ。
日本はあり得ない少ない予算でレールガンを研究してるようですが、難航と決まってるでしょう。
レーザーについて、米軍も中国軍も実用してます。
但し、バッテリーの制限など、米軍はかなり限定的らしい。
勿論、防衛できるかどうか、実物で確認しなくてはならないので、防衛できそうなのは、中国とロシアのみとなります。