RC用リモートコントローラーは2.4GHz帯の周波数で通信を行います。2.4GHzとは、あらゆる電子機器を利用する通信であり、かなり妨害を受けやすい周波数帯域でとなります。
Radiolink社のAT10Ⅱ送信機は、ハイブリッド方式のスペクトラム拡散を利用して、他社製品より優れた耐干渉性能を実現しています。
電磁波について、水の波を想像して頂ければと思います。同じ周波数の電磁は異なる機器から発すると、お互いに妨害します。RC飛行機を操縦する時、悪意ではなくても、他の機器からの妨害を受けると、コントロールを失ってしまうことになります。
利用中の電子機器が多い程、周りの電波環境が混雑するので、妨害を受けやすくなります。利用できる電波の周波数が変わらないが、スペクトラム拡散という考え方で解決します。
スペクトラム拡散の解決方法の一つは周波数ホッピング(FHSS)となります。フタバ社のT16SZ等の製品はこの方式を利用してます。基本的な仕組みとは、周波数を一定の規則に従い高速に切り替え、送受信機間で通信を行います。故意的に干渉させない限り、簡単に妨害されることが難しいです。
スペクトラム拡散のもう一つの方法は直接拡散(DSSS)、送信データよりも遥かに広い周波数にエネルギーを拡散して通信する、送受信双方が保持する「拡散符号」と呼ばれる鍵に基づいて演算を行う方法です。ようは、暗号化通信に近いようです。
AT10Ⅱ送信機はFHSSとDSSSを組み合わせたハイブリッド方式です。
要は、FHSS方式で周波数を切替えて、一つの周波数が妨害されて通信できなくなる状態を避け、同じ周波数からの影響を受けても、DSSS方式の鍵がなければ、無視されて、自らの電波だけを見つけて利用する仕組みになります。
こちらはRadiolinkの製品を仕組み上、他社製品より、優れた耐干渉性能を提供できる理由の一つです。この技術は元々軍事上で利用した技術であり、民間用に転じました。スペクトラム拡散のハイブリッド方式で通信するAT10Ⅱ送信機を利用した場合、妨害を受けにくいという事をご理解していただけるのでしょうか。
ちなみに、通常の電気製品からの干渉という所か、Radiolink AT10Ⅱの通信を故意的に干渉させるようとしても、かなり高い技術力が必要とするようです。